サイレンと焦げ臭さに目を覚ます
うとうとしていた朝5時、遠くでサイレンが鳴り、いつもと違う気配がしました。
消防署が近くにあるので、サイレン自体はよく聞こえるのですが、その日はなんだか違う。
うっすら目を覚ましたときに、焦げたようなにおいがしてきたんです。
少し前にも似たようなにおいを感じたことがあったので、最初は「また魚でも焼いてるのかな?」と思いました。
でも、だんだんとにおいが強くなってきて…。
念のためコンセントまわりを確認しても異常なし。
「やっぱり外かな」と思いながらも、眠気の中で様子をうかがっていました。
隣家が原因だとわかるまで
やがて、階段を上がってくる足音と無線の声。
「○○到着」──その言葉を聞いた瞬間、「もしかして隣!?」と慌てて外へ出ました。
外にはすでに消防士さんが数名。あたりには焦げたにおいが立ちこめていて、胸がざわざわ。
話を聞くと、隣の家のフライパンの空焚き が原因だったようです。
幸い、火は広がらず、大きな被害もありませんでした。
それでも、あのサイレンの音と焦げたにおいは、しばらく忘れられませんでした。
家族で話してみた「火事のときどうする?」
避難ルートと役割分担
この出来事がきっかけで、家族で火事のときの行動について話す時間を作りました。

- どこから避難するか
- 夜中に起きたら誰が何をするか
- 子どもにも119番のかけ方を教えておく
マンションでは火元の階によって避難方向が変わる
特に印象に残ったのは、火の出た階によって避難の方向が変わる ということ。
火が自分の下の階で起きている場合は、炎や煙が上にのぼるので、下へ行こうとせずベランダや屋上など安全な方向へ。
逆に、火が上の階なら、下の階へ逃げる のが基本なんですね。
「とりあえず階段へ!」と焦って動くのではなく、落ち着いて火元を見極めることが大事だと感じました。
消火活動で下の階にも被害が出ることがある
水濡れや天井・壁の損傷による住めない状況
火が出ると、消火活動の放水や散水で、下の階まで水がまわって住めなくなるケース も少なくないそうです。
火が直接まわらなくても、水漏れや天井の損傷などで長期間住めなくなることもあります。
保険での補償や備えておきたいこと
こうした放水による被害も、火災保険で補償される場合が多いです。
ただし、被害の程度や建物構造によって違いがあるので、自分の契約内容を確認しておくと安心です。
「もらい火」のときの保証や法律
火災保険での補償
隣家からの火事で被害を受けた場合、自分の火災保険 で補償されることがほとんどです。
でも、契約内容によって範囲や上限が違うので、事前にチェックしておくのが大切です。
隣人への損害賠償は簡単ではない
日本の法律(失火責任法)では、出火した人に重大な過失がなければ賠償義務はないとされています。
つまり、たとえ隣からのもらい火でも、相手に責任を問えないことが多いのです。
そのため、いざというときのために

- 「もらい火でも補償される保険かどうか」
- 「類焼損害特約をつけているか」
を確認しておくと安心ですね。
まとめ:体験を“備え”に変える
今回のぼや騒ぎは、幸い大きな被害にはなりませんでした。
でも、もし火が広がっていたら…と思うと、改めて「日ごろの備え」の大切さを感じました。

焦げたにおいに気づいたあの朝から、
「火事はどこにでも起きうる」ということを実感。
そして、家族で避難ルールを話し合うきっかけになりました。
火は怖いけれど、知っておけば落ち着いて行動できる。
これからも「もしも」を想像しながら、少しずつ備えていきたいと思います。


コメント